― 新着記事 過去ログ一覧 ―


 

File024    2020/04/14      新型コロナウイルス感染拡大に伴う法務局登記事務の取扱い

File023    2020/03/31      戦災などで戸籍謄本が消失してしまっている場合

File022    2020/03/16      完済した住宅ローンの抵当権抹消について

File021    2020/03/02      法人設立登記の迅速化(24時間以内の処理)について

File020    2020/02/17      法人設立の手続きがワンストップに

File019    2020/02/03      成年被後見人も市区町村での印鑑登録(実印登録)が可能に

File018    2020/01/20      相続手続きに必要な故人の戸籍謄本について

File017    2020/01/06      遺言書保管制度について

File016    2019/12/23      運転経歴証明制度の改正

File015    2019/12/09      相続時の登記は義務化される?

File014    2019/11/26      公衆用道路の登録免許税について

File013    2019/11/11      遺留分減殺請求の金銭債権化について(遺留分侵害額請求権)

File012    2019/10/28      台風に伴う災害により権利証を無くしてしまった方へ

File011    2019/10/15      令和元年度の休眠会社の整理作業について

File010    2019/09/30      登記識別情報(いわゆる権利証)は再発行できるのか?

File009    2019/09/17      特別養子縁組の成立要件の緩和について 

File008    2019/09/02      成年年齢が18歳になります

File007    2019/08/19      家事事件手続法による預貯金の払戻し

File006    2019/07/29      遺産分割の前でも預貯金の一部払戻が可能となりました

File005    2019/07/16      法定相続情報証明の利用範囲拡大について 

File004    2019/07/01      相続登記の登録免許税免税措置について

File003    2019/06/17      住所変更登記はいつまでにするべき? 

File002    2019/06/03 「下線のあるものは抹消事項であることを示す」とは? 

File001    2019/05/21  自筆証書遺言の方式が緩和されたのを知ってますか?

 

File024 新型コロナウイルス感染拡大に伴う法務局登記事務の取扱い

新型コロナウイルス感染拡大に伴う法務局登記事務の取扱い

2020/04/14作成

 

 

新型コロナウイルス感染拡大により緊急事態宣言等が発出され、対象地域内に所在する各法務局の登記業務に少なからず影響がでております。

 

4月8日の法務局HPでは、

緊急事態宣言が発令されたことに伴い、東京法務局、横浜地方法務局、さいたま地方法務局、千葉地方法務局、大阪法務局、神戸地方法務局及び福岡法務局においては、新型コロナウイルス感染症対策として、担当職員の通勤の抑制を始めとする感染防止のための取組を行いながら業務を行わざるを得ない状況です。つきましては、当分の間、登記完了予定日が通常よりも遅くなることが予想されますので、御利用の皆様には御不便をおかけいたしますが、御理解と御協力をお願いいたします。」

との掲載がなされました。

 

千葉地方法務局HPの管内各法務局の不動産権利登記の登記完了予定日を閲覧してみると、東京都寄りの法務局ほど登記事務処理時間が通常よりも日数を要しているようです。また、商業(会社)登記は県内の法人は千葉地方法務局が一手に登記実務を担っているため、県内の会社全体にその処理時間の影響があることになります。ピョコ13.png

ちょうど年度替わりの時期にあたり通常でも登記申請件数が増える時期であるだけに影響は必至と言わざるを得ない状況となってしまいました。

 

今後、新規にご依頼を頂くお客様におかれましては、上記理由により通常よりも登記申請から登記完了までに時間を要することが予想されますので、その旨ご理解のほど宜しくお願い致します。

 

 

2020/03/31  戦災などで戸籍謄本が消失してしまっている場合

先日、相続登記でこんな相談がありました。

 「亡くなった父親の古い除籍謄本を取り寄せたのですが、一部戦災で焼失してしまったようで、出生から亡くなるまでの戸籍除籍謄本一式が揃えられないのですが大丈夫でしょうか?」

 

〜以前の法務局の取扱い〜

相続による所有権移転登記を申請する場合、除籍謄本などが戦災等により焼失し一部が添付できないときは、「焼失等により戸籍を発行することができない旨の証明書」を市区町村に発行してもらい、且つ、相続人全員による「他に相続人はいない旨の上申書」の添付が必要でした。

焼失等により戸籍が発行できない旨の証明書は市区町村が発行してくれますのでよいのですが、相続人全員の署名押印が必要となる上申書等書面の用意はなかなか大変なケースもありました。(今さら相続人全員にサインを貰い難いなど・・)

 

〜現在の法務局の取扱い〜

現在は(平成28年3月の法務省民事局長通達以降)上記の取扱が、滅失等により除籍等の謄本を提供することができない場合には、その旨の市区町村長の証明書のみを提供すればOKとなりましたので、わざわざ、相続人全員の署名押印が必要となる上申書等までは用意しなくてもよいことになりました。

 

 

いままで、お手伝いさせて頂いた相続手続きでは、昔の除籍謄本などが戦災等(私が取扱った案件のほとんどは東京大空襲によるものでした)で焼失してしまったケースが少なからずありました。以前の取扱いでは、依頼人自身が作成した相続人全員の署名押印が済んだ遺産分割協議書をお持ち頂いても、別途書面を作成し再度相続人全員の署名押印が必要となることもありましたが、現在はその必要なくなったので依頼者の負担が軽減され何よりとなっております。

 

当事務所では、登記手続きに必要な除籍一式の取得のほか、市区町村の証明書の代行取得も行いますので、是非一度ご相談下さい。

 

2020/03/16  完済した住宅ローンの抵当権抹消について

先日、こんな質問がありました。

「先日、法務局で自宅の登記簿謄本を取得したところ、十数年も前に払い終わった住宅ローンに関する○○銀行の抵当権が未だに付いているのですが・・・なんで?」

 

〜住宅ローンの完済=抵当権抹消ではない!?〜

ご自宅を住宅ローンで購入された場合、通常は購入されたご自宅に住宅ローンを組んだ金融機関(銀行や保証会社)の担保が設定されます。この担保のことを「抵当権」と呼んでおり、抵当権の設定手続きは管轄の法務局へ申請して行われます。その後、数年〜数十年かけて住宅ローンを完済すると金融機関が付けた抵当権は用済みとなりますが、完済により自動的に抵当権が抹消される訳ではなく、やはり管轄法務局に対し抵当権抹消手続きをとる必要があります。

 

住宅ローンを完済すると金融機関の方から抵当権を抹消するための書類(抵当権設定契約証書や解除証書、委任状、登記識別情報など)を渡してくれますので、以下いずれかの方法によって抹消することになります。

 1.ご自身で管轄法務局に対し抵当権抹消登記の申請手続きを行う

 2.ご自身で手続きを代理してくれる司法書士を探し手続きを依頼する

 3.金融機関から司法書士を紹介してもらい手続きを依頼する

 

 

〜抹消するための書類を無くしてしまった〜

完済から長い間経過してしまうと、金融機関から渡された書類を無くしてしまったということもあるでしょう。紛失してしまった場合には、金融機関へ連絡し書類を再発行してもらう必要があります。銀行の合併や再編等で銀行名が変わってしまうことも多い昨今ではありますが、銀行の場合は会社自体が消滅して連絡が取れなくなってしまう心配は通常ありませんのでその点は安心です。ピョコ12.png

 

 

いずれにせよ、抵当権抹消のための書類を再発行してもらうのは手間も費用もかかりますので、住宅ローンを完済された折には抵当権抹消の手続きもお早めに済ませたいものですね。

 

 

2020/03/02  法人設立登記の迅速化(24時間以内の処理)について

先月2月に「オンラインによる法人設立登記の24時間以内の処理について(通達)」(令和2年2月12日法務省民商第23号)が発出されました。

 

どういった内容かというと、本年3月17日より法務局での法人設立登記手続きの処理時間を更に短縮(原則として24時間以内に処理する)していきますとのことです。現時点においても法務局での法人設立登記手続きの処理は迅速に行われておりますが(およそ2〜3日程度)それを更に早く処理するようにするとのことのようです。

 

なお、24時間以内処理の対象となるためには以下の条件が必要のようです。

 

  1.オンラインによる株式会社及び合同会社の設立登記

  2.株式会社にあっては設立時役員等が5人以内

      3.合同会社にあっては業務執行社員が5人以内

  4.添付書面情報が全て電磁的記録により作成

      5.登録免許税の納付は収入印紙ではなく電子納付を利用

 

もちろん補正(添付書類の不足などで追加書類要請があるケース)が必要な場合は、24時間以内の処理が不可能となりますし、登記申請件数の多い時期(4月、6月及び7月)は必ずしも24時間以内処理は出来ないかもとのこと。

 

上記条件中4.「添付書面をすべて電磁的記録により作成し申請書と併せて送信せよ!」との条件はなかなか大変そうに思いますので、3月17日以降、この申請形態を利用しての会社設立申請に一気にシフトして行くことは考えにくいですが、今後の「24時間以内処理」の利用状況には注視して行きたいと思います。

 

2020/02/17  法人設立の手続きがワンストップに

令和2年1月から法人設立後(現時点では法務局への設立登記は除く)の手続きがワンストップで出来るようになりました。

 

これまで法人設立後には、設立届出書の提出のような複数の各種手続を行政機関毎(税務署や年金事務所、ハローワークなど)にそれぞれ個別に行う必要がありましたが、マイナポータルの「法人設立ワンストップサービス」を利用して、これらの一連の手続を一度で行うことができるようになったようです。(手続きを利用するには代表者のマイナンバーカードやICカードリーダーなど必要要件はあるようですのでご確認ください。)

 

法人設立後に発生する行政機関への手続きは、法人代表者様自身や顧問税理士さん、社会保険労務士さんが行っているかと思いますが、今まで各機関へ手続きを要したものがオンラインで24時間365日ワンストップで行えるようになったということで、法人代表者様にとっては幾分楽になるのではないでしょうか。
しかしながら、法人設立ワンストップサービスの「かんたん問診」の質問もなかなか分かりにくいものもありますし、リストアップされた各種届出などの小難しい手続きは、やはり専門家に任せてはと思うところではあります。

 

ちなみに我々司法書士は、法人設立の場面において、法人の本店所在地を管轄する法務局への登録(登記)を代理して行いますが、この「定款認証・設立登記手続き」も将来的にはワンストップサービスに組み込まれる予定となっています。国税庁HPをみると令和3年2月からご利用可能と記載がありますので、この点は注視して行きたいと思います。

 

IT化の加速により手続きの合理化はぐんぐん進んで行きますね。

 

2020/02/03  成年被後見人も市区町村での印鑑登録(実印登録)が可能に

昨年の「成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律」の施行に伴い、総務省の「印鑑登録証明事務処理要領」の改正を受けて、各市区町村において令和元年12月から印鑑登録の登録資格の改正の動きがでているようです。

 

今まで成年被後見人の方(後見人の方ではなく後見人が付された方)については、市区町村での印鑑登録(いわゆる実印登録)を受けることが出来ませんでした。また、既に登録されていた方については印鑑登録が抹消される取扱いになっていました。しかし、昨年の改正により印鑑の登録資格が見直され、成年被後見人の方であっても、成年被後見人ご本人が窓口に行き、かつ法定代理人が同行している場合に限って印鑑登録が可能となった市区町村が増えているようです。

今まで印鑑登録が出来ないことで、成年被後見人の方が重要な取引に関するトラブルに巻き込まれないよう予防することが出来た側面もあったかと思いますが、成年被後見人の方について一律で印鑑登録を認めないとする取扱いについても苦言がありました。

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尚、詳細は印鑑登録をする各市区町村でご確認頂きたいとは思いますが、当事務所がある八千代市や近隣である千葉市や船橋市では改正を受け昨年12月から登録の対応をしているようです。

 

今般の改正が不動産取引等の場や印鑑証明書の添付が必要となる手続きの場でどのような影響を及ぼして行くのか、これからも注視していきたいと思います。

 

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2020/01/20  相続手続きに必要な故人の戸籍謄本について

相続手続きついて必要な書類の中に、亡くなった方の出生〜亡くなるまで連続の繋がりのつく戸籍(除籍等)謄本一式というのがあるのをご存知でしょうか?(言葉にすると文字数が多いので以下「故人の除籍謄本一式」と言います。)

 

先日、相続のご相談があり、故人の除籍謄本一式は既にご自身で取得されたとのことなので、お取り頂いたものを持って来所頂き、実際に戸籍を拝見させて頂くと、

 

お手元にあったのは故人の亡くなった記載のある横書きの戸籍謄本が一通のみ・・・

 

一般の方の中には、「故人の除籍謄本一式」のことを、亡くなった記載のある最後の戸籍謄本のことであろうと思い違いされている方が少なからずいらっしゃいますが、故人の除籍謄本一式とは、連続の繋がりの付く戸籍(除籍等)謄本のことで、亡くなった方が80才前後の方である場合には、通常4〜6種類程度となります。転勤族であった方で転勤の度に本籍も移動していたような方ですと8〜10種類程度となることも珍しくありません。

  

戸籍は戸籍法による新たな取扱い(戸籍改製)や結婚や転籍によって新たに作り替えらますので(戸籍の新たな編製)、お亡くなりなったご年齢にもよりますが、通常は数種類の戸籍謄本が該当します。

 

「故人の除籍謄本一式」が必要な理由は、戸籍を間断なく調査して現時点で把握している方以外に相続人がいないかを確認するためですが、一般の方が自ら故人のそれら除籍謄本一式を用意するのはそう容易ではありません。すべて同じ市区町村で取得できれば差ほど難しくありませんが、戸籍は本籍地の市区町村で取得する必要がありますで、遠方の市区町村は通常は郵送での請求となるでしょう。

 

当事務所では相続人の方よりご依頼を頂ければ除籍謄本一式を代行取得することも可能ですので、その際はご相談下さい。

 

2020/01/06  遺言書保管制度について

明けましておめでとうございます。
2020年も、より一層のご支援お引立てを賜りますようお願い申し上げます。

 

さて、今年の7月10日(金)から法務局による遺言書保管制度が始まります。

 

遺言書保管制度とは、文字通り、皆さんが作成した遺言書を法務局が保管してくれるというものです。

現状、皆さん自身で作成された遺言(自筆証書遺言)は、皆さんのご自宅などで保管されることが多いと思いますが、それですと遺言書を紛失・亡失したり、相続人により遺言書の廃棄,隠匿,改ざんが行われる恐れがあります。それらを解消するために遺言者自身に代わって法務局が遺言書を保管しましょうというのが遺言書保管制度となります。

 

遺言書の保管申請は、遺言者の住所地、本籍地または遺言者が所有する不動産所在地を管轄する遺言書保管所(法務局)の遺言書保管官に対してすることができ、遺言書保管所は全国300カ所以上の法務局が該当することになります。

但し、遺言書の保管申請は、遺言者が自ら遺言書保管所(法務局)へ出頭して行う必要がありますので、保管申請可能な最寄りの法務局が少々遠い方についてはちょっと不便かなと思います。(遺言者を作成される方は必然的にご高齢の方が多いですからね)

遺言書保管所に保管されている遺言書については、自筆証書遺言に要求されている家庭裁判所での遺言書の検認の規定は適用されませんので、その点についてもこの制度を利用するメリットがあるとは思いますが、この検認不要の遺言書保管所に保管されていた遺言書のみを使ってとこまで相続手続きが可能となるか(銀行預金の解約や証券会社の解約手続きなど)今後の推移を見守る必要がありそうです。

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いずれにしても利用する側からすると選択肢が増えるのはよいことだと思いますので、制度開始後もこの制度を注視し、利用を希望される方へ適切な良いアドバイスが出来るよう心がけて行きたいと思います。

近年の法定相続情報制度の開始とあわせて、法務局の職員の方々においては、更なる職務内容が増えることとなり大変かと思いますが利用サービス向上のため是非頑張って頂きたいですね。

 

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2019/12/23  運転経歴証明書制度の改正

運転経歴証明書をご存知でしょうか?

 

運転経歴証明書とは、運転免許証を自主返納した方などに対し公安委員会が発行してくれる証明書のことで、見た目の形状はほぼ運転免許証と変わりません。

現在では一般的に本人の身分証明書などに利用でき、ご高齢者の方で車の運転をリタイアされた方などが身分証明書としての運転免許証の代わりにこの運転経歴証明書を所持されていることがあります。

 

さて、今般、この運転経歴証明書制度が改正(令和元年度改正)になり、自主返納した方だけでなく、更新を受けずに運転免許証が失効してしまった方についても運転経歴証明書の交付が受けられるようになりました。これは、運転免許証が失効した方の中には、自主返納した方と同様に自らの判断で運転をリタイアされた方が多数いらっしゃるであろうことが考慮されたようです。
(但し、自主返納後5年以上又は運転免許失効後5年以上が経過している方や、交通違反等により免許取消しとなった方等は運転経歴証明書の交付を受けることができません。)

警察庁のホームページによると昨年平成30年は運転経歴証明書の交付件数が約358,000件となっておりますから、私の予想を上回る方が運転経歴証明書を所持されているようです。 

 

司法書士は業務をご依頼頂く際にご依頼者のご本人確認のため身分証明書をご提示して頂くため、他の業種の方よりは不特定多数の方の運転免許証を拝見する機会があります。実際、今までに何度か「運転経歴証明書」をご提示頂いたことがあります。

ご本人確認書類としては、顔写真入りの身分証明書はぜひとも所有してほしいところでありますので、交付を受けることが出来る対象の方はぜひ検討してはいかがでしょうか。

 

ちなみに、一見すると運転免許証によく似ているため、お財布から出された直後は運転免許証だと勘違いしてしまいますね。

 

2019/12/09  相続時の登記は義務化される?

先日、相続時の不動産登記の義務化に関する記事が新聞に掲載されておりました。

昨今、所有者が不明のまま放置される土地が増加し問題となっており、これ以上そういった所有者不明土地を増やさないためにも、相続時における不動産の名義変更を義務化し、亡くなった方から相続人にスムーズに名義変更を進めていこうという考えのようです。

 

記事によると、土地所有者である会社や個人が住所移転する場合の住所変更登記の義務化なども検討しているようです。
確かに相当期間経過後(何十年も)に住所変更登記をする場合には、住所移転の経緯に関する証明書が取得できないなど、登記実務上、少々面倒となるケースもありますので、住所移転登記の義務化も有用かと思いますが、引越しの度に住所登記を強いられるのも少々大変そうです。

これについては将来的にはマイナンバーと紐付けて役所での住所移動届けと連動して不動産登記簿上の所有者の住所も自動的に変更されるなんて日がやって来るのではないかとも思っています。

 

いずれにせよ、所有者が不明のまま放置されて土地が、水道管やガス管の設置工事やその他公共工事における用地取得の阻害要因になっていることは以前から問題とされていましたので、相続を理由とする不動産名義変更を義務化することは致し方ないのではないでしょうか。ピョコ9.png

 

なお、記事によりますと法制審議会の中間試案原案には違反者には罰則を科す内容も盛り込まれているようですからその内容も気になるところです。来年秋の臨時国会に不動産登記法の改正案を提出方針とも書かれておりますから、この改正案には、これからも注視する必要がありそうです。

 

 

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2019/11/26  公衆用道路の登録免許税について

先日、相続によるご自宅の名義変更のご相談を頂きました。

名義変更(法務局への所有権移転登記)に関する説明を差し上げ、かかる費用のうち登録免許税のご説明をした際に、ご相談者様より次のようなご質問がありました。

 

「亡くなった親父は自宅前の道路部分も持っていた(所有)ようだけど、道路部分の名義変更にも登録免許税はかかりますか?道路部分はもともと非課税(固定資産税が取られていない)で土地の評価もないだろうから登録免許税はかからないですよね?」

 

 (汗)・・・残念ながら、登録免許税がかかります。

 

毎年ご自宅へ送付される「固定資産税納税通知書」には一般的に物件明細資料が添付されており、その中に不動産評価額なるものが記載されています。

公衆用道路などについては固定資産税が非課税の場合が多く、評価額そのものが記載されていないケースがよく見受けられます。登録免許税は固定資産税評価額に基づき算定しますので、評価額の記載がない土地については免許税がかからないのではとの考え方も成り立ちそうですが、現在の登記申請実務においては、残念ながら登録免許税がかかります。

たとえ公衆の道路に供されていて固定資産税評価額の記載のない土地であっても、近隣の宅地の評価額を参考にして評価額を割り出し登録免許税を算出します。

 実際に計算して登録免許税を算出しても通常はプラス数百円〜数千円程度で収まることが多いのですが、相談者からすると、「公衆用の道路部分にも名義変更の税金がかかるのか〜」と、少し驚かれることが時々あります。

 

塵も積もれば山となるですから、税金は有効に使って頂きたいものです。

 

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2019/11/11  遺留分減殺請求の金銭債権化について(遺留分侵害額請求権)

先般の40年ぶりの民法(相続法)の改正により、遺留分制度が見直されました。

 

フルモデルチェンジとまではいきませんが、それまでの遺留分減殺請求の効果で生じていた面倒を多少解消が可能となるモデルチェンジを行いました。また、「遺留分減殺」を登記原因として不動産の名義変更申請を行っていた不動産登記実務の担い手である我々司法書士にとっても興味深い重要な変更となりました。

 

今般の遺留分制度の見直しを非常に簡単に説明すると・・

例えば、亡くなった方の相続財産が不動産(自宅)のみのケースにおいて、不動産を相続した長男に対し、なにも相続できなかった次男が、遺留分を侵害されたとして遺留分を請求する場合には、改正前は、唯一相続した不動産を一部返還することになりますので、利害対立当事者間で不動産を共有する事態が生じていました。仲たがいしてしまった兄弟間で不動産を一緒に所有するということです(非常に面倒ですね)。

この面倒を解消するため、改正後はお金で返還すべしとしました。これが遺留分減殺請求の金銭債権化といわれるものです。お金を用意する側からすればそれも大変な話ですが、望んでもいないのに自動的に不動産が共有状態になるよりはまだ良いのではないかと思います。(お金を渡せば済むことになりますからね)

 

なお、この遺留分制度の見直しの規定は、今年2019年7月1日より既に施行されておりますが、施行日前に亡くなった方の相続については、従前の遺留分減殺請求の考え方が踏襲されますのでご注意下さい。ピョコ8.png

 

改正前は、遺留分減殺請求により、登記原因を「遺留分減殺」をして、不動産の名義変更を申請していましたが、相続の発生日が施行日の前後かよって、この原因を使い分ける必要があります。また、この改正の影響により「代物弁済」という登記原因が登場してくることがあると予想されます。

不動産登記実務の一旦を担う司法書士としては気をつけたいものです。

 

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2019/10/28  台風に伴う災害により権利証を無くしてしまった方へ

台風19号の上陸により東日本広域で甚大な被害が発生致しました。
台風により被災された方々には衷心よりお見舞いを申し上げます。

 

台風に伴う災害により家屋への浸水などの被害により権利証を紛失された場合もあると考えられますが、権利証を無くしてしまった場合の注意喚起として法務省民事局よりお知らせがアナウンスされておりますので、下記リンクよりご参照下さい。

 

 「令和元年台風19号に伴う災害」により土地建物の権利証(登記済証・登記識別情報通知)を紛失した場合について(令和元年10月14日)

 

要約すると、権利証を紛失しまったからといって、そのこと自体でお住まいの土地建物の権利(所有権など)を失うことありませんし、今後、不動産の売却などの処分が一切できなくなるというわけでもありませんというものです。

 一般の方のなかには、権利証がないと自分が所有者であると証明ができなくなってしまうのではないかと心配される方もいると思いますが、所有者であるとの確認は法務局に備わっている不動産登記事項証明書(不動産登記簿謄本のこと)で証明できますのでその点はご心配はいりません。また、権利証を紛失してしまった土地や建物についても、法律上の例外手続きが用意されておりますので売却などの処分も可能となります。但し、権利証の再発行はすることができませんのでその点はご注意下さい。

なお、権利証を紛失したことにより勝手に不正な登記をされてしまう心配や懸念がある方については(例えば、災害により避難している際に空き巣に入られて権利証を盗まれてしまった場合など)、不正登記防止申出制度などの予防方法もございますので、最寄りの法務局や司法書士へご相談下さい。

 

最後に、被災された方々が一日も早く平穏な生活へ戻れますことを心よりお祈り申し上げます。

 

2019/10/15  令和元年度の休眠会社の整理作業について

先週の令和元年10月10日、12年以上登記がされていない株式会社(一般社団法人及び一般財団法人は5年以上)に対し、法律の規定に基づき管轄法務局より、とある「通知書」の発送がなされました。

 

通知書の内容を簡単に言うと・・

『あなたの会社は12年以上にわたり登記申請手続きが行われていません。よって、既に事業を廃止したか既に実体がない法人である、いわゆる休眠会社とみなし、今年12月11日付で会社を解散したものと取扱います! まだ、事業を継続しているなら12月10日迄に届出して下さい』

というものです。

 

これを、俗に「休眠会社・休眠一般法人の整理作業」と呼んでいます。作業をおこなう理由としては、現行会社法のもとでは株式会社は取締役の任期との兼ね合いから少なくとも10年に一度は役員の変更登記手続きを行う必要がありますが、それもなく長期間登記がなされない状態が続いているような株式会社等は、既に事業を廃止し実体のない状態となっている可能性が高く、これを放置しておくと、商業登記制度に対する国民の信頼を損なわれてしまうというものです。

 

全国の法務局では、この整理作業を平成26年度以降、毎年行うこととしており、昨年平成30年は約24,000社の株式会社がこの作業により解散させられました。なお、みなし解散させられた株式会社も3年以内であれば一定の手続きを踏んで継続することが出来ますが、手間も費用もかかります。

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あなたの会社は大丈夫ですか?

あなたの会社・法人は、登記手続きを放置していませんか?

法務局からの通知を放置すると、「会社が解散させられてしまった・・」と、思わぬ事態を引き起こすことになります。役所になりすました悪質な詐欺文書も送付される昨今ですが、会社を経営されている社長さんは是非気をつけましょう。

 

 

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2019/09/30  登記識別情報(いわゆる権利証)は再発行できるのか?

まだまだご存じでない方が大半かと思いますが、

平成17年3月の不動産登記法の改正により、いわゆる権利証と呼ばれる書類の様式が大きく様変わりしました。(なお、対応可能な法務局から順次に様式を変更しましたので、法務局によって様式変更開始日に数年のバラつきがあります。)

 

現在は不動産を取得(売買、贈与、相続等)された方については、新様式の権利証である「登記識別情報通知」なるものが法務局より発行されております。登記識別情報とは12桁の英数字の組合せで表されたパスワードのようなもので、それを通知する書面なので「登記識別情報通知」となります。なお、様式変更以前に不動産を取得された方については、引き続き従来様式の権利証がそのまま有効適用されます。

 

先日、近隣の方から「登記識別情報通知の再発行を法務局へお願いすることが出来ますか?」とお問い合わせがありました。結論から言うと、残念ながら再発行は出来ません。法務局からの登記識別情報通知の発行は一回限りで残念ながら例外は認められておりません。ただし、登記識別情報を無くしたからといって、登記識別情報を使用するような登記手続き(売買や贈与、抵当権設定など)が出来なくなるわけではありません。そこは、法律も想定の範囲内ということで例外の手続きは用意してくれております。

 

しかし、売買や抵当権設定の際に一般的に用いられる例外の手続き(司法書士による本人確認情報の作成)は、通常は数万円の費用がかかります。不動産を売却し手放す場合にはその費用負担も一回分で済みますが、不動産を手放さない手続き(住宅ローンの借換えに伴う抵当権設定など)の場合には、その都度の費用負担が想定されます。

 

皆さん、ご自宅の権利証(登記識別情報通知)の保管場所は覚えていらっしゃいますか? 銀行の貸金庫を利用するなど、重要な書類の保管にはくれぐれも気をつけましょう。

 

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2019/09/17  特別養子縁組の成立要件の緩和について

令和1年6月7日、民法等の一部を改正する法律(令和元年法律第34号)が成立し特別養子縁組制度の見直しがなされました。

 

養子縁組には「普通養子縁組」と「特別養子縁組」の二つがあり、両者の大きな違いは、縁組することで実の親との関係が終了するか否かということにありますが、普通養子縁組は縁組後も実の親との関係が続き、特別養子縁組は縁組後は実の親との関係は終了します。これは、扶養義務や相続権の有無に影響するため、関係が終了する「特別養子縁組」については、特に厳格な成立要件が必要とされてきました。

 

今回の改正では「特別養子縁組」についてその利用促進のため、要件を一部緩和しました。

一番の緩和ポイントは、養子候補者となる子どもの上限年齢を「原則6歳未満から原則15歳未満へ引き上げた」ことです。児童養護施設等に入所している年長の子どもたちもこの制度が利用できるように年齢対象を拡大したと思われます。

現在、複雑な家庭環境や経済的事情により、児童養護施設等に多数の子どもが入所している状況において、特別養子縁組を成立させることにより状況を改善できるのではないと期待されます。ピョコ6.png

 

元来、特別養子縁組は、家庭に恵まれない子に温かい家庭を提供して、その健全な養育を図ることを目的として創設されております。専ら子どもの利益を図るための制度であるならば、今回の改正により、積極的な利用を促し子ども達の生活改善に引いては明るい未来に繋がってくれればと願うばかりです。

 

 

 

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2019/09/02  成年年齢が18歳になります

民法の改正により、2022年4月1日から成年年齢は18歳になります。

 

2018年(平成30年)6月に民法の定める成年年齢を18歳に引き下げること等を内容とする「民法の一部を改正する法律」が成立しました。2022年4月1日から施行されます。

 

施行後は、18歳に達した若者は一人で様々な契約を有効に締結することができるようになり、父母の親権にも服さなくなることとなります。例えば、スマホを一人で購入でき、自動車などの高額な商品も購入することができるようになります。

 

現行法下では、18歳の若者が親の同意を得ずに締結した契約は取り消すことができる(未成年者取消権)とされていますが、施行後はそのような取り消しはできなくなるため、その意味においては、若者にはより一層の「自分の意思で決める」こと自己決定権の重要性・責任の認識が求められることにもなります。

 

日本は長年(明治9年以来)、20歳を成年年齢としてきましたが、昨今の投票権や選挙権の年齢引き下げなどにより、18歳以上はもう大人として扱おうとする議論がなされてきました。世界に目を向けてみると成年年齢を18歳以上とするのが主流のようですし、これから社会を担う若者に大人(成年)として少しでも早く積極的に社会参加してもらうことは良いことだと思います。

勿論、それだけ責任も伴いますが、若者に期待したいですね。

 

なお、お酒やタバコは「20歳から」が維持されますのでご注意下さい。

 

2019/08/19  家事事件手続法による預貯金の払戻し

前回の記事では、遺産分割協議が整う前における預貯金の払戻し(民法909条の2)について触れましたが、似たような制度が家事事件手続法にも定められております。

 

従来法の下でも家事事件手続法200条2項に基づき一定の要件を満たす場合には、金融機関の預貯金の払戻しをうけることが可能でしたが、今般の改正により、同条に3項を新設し、「預貯金債権の仮分割(払戻し)」に限って、その要件が緩和されることとなりました。

 

  ■ 預貯金債権の仮分割の仮処分(いわゆる払戻し)を利用するための要件

 (1)遺産分割の審判又は調停の申立てがあること

 (2)預貯金債権を行使する必要性があること →相続債務の弁済や相続人の生活費の支弁など・・

 (3)他の共同相続人の利益を害しないこと

 (4)申立てがあること

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民法909条の2に基づく預貯金の払戻しは、払戻し金額の上限があらかじめ規定されていますが、この家事事件手続法に基づく預貯金の払戻しはそのような上限が前提条件に定められていませんので、ケースによってはより多額の払戻しを受けることが可能と考えられます。

しかしながら、やはり利用条件として「遺産分割の審判又は調停の申立てがあること」が挙げられているとおり、家庭裁判所の手続きを利用することが前提ですので、誰でも簡単に利用できる便利な制度とはいかなそうですね。

 

2019/07/29  遺産分割の前でも預貯金の一部払戻が可能となりました

今まで、亡くなった方の預貯金の払戻しをするには、払戻しするための書類に相続人全員の署名押印が必要だったため、実質的に遺産分割協議が整うまでは、預貯金の払戻しを受けることができませんでした。

 

 しかし、今月(7月)1日からは取扱いが変わり、共同相続人間で遺産分割協議が整う前であっても一部預貯金の払戻しができるようになりました。遺産たる預貯金について、亡くなった方の葬儀費用の支払いや残された相続人の生活費の捻出、相続債務(借金)の弁済などの資金需要に少しでも対応できるようにするためです。

 

払戻しができる範囲(金額)については、以下1及び2の両方の条件が付きますので、1と2のいずれか小さい金額について払戻しを受けられるとことなります。

 

1. 割合による上限

 相続開始時の預貯金の額 × 3分の1 × 払戻しを求める相続人の法定相続分

 

2. 金額による上限

 金融機関ごとに法務省令で定めた上限額(150万円)の範囲内

 

 

2019/07/16  法定相続情報証明の利用範囲拡大について

平成29年5月から利用が始まった「法定相続情報証明制度」ですが、昨年平成30年4月より、その利用範囲拡大のために少々取扱に変更がありました。

 

法定相続情報証明制度とは、法務局に対して申出人が作成した法定相続関係人一覧を記載した図(いわゆる法定相続情報一覧図)と、亡くなった方の戸籍除籍謄本等の束を提出して、登記官からその一覧図に認証文を付した写しを交付してもらう制度のことです。

従来、相続を原因とする不動産の名義変更の際に、登記官から交付された法定相続情報一覧図を添付することで、戸除籍謄本等の束の添付が省略できる取扱いとなっておりましたが、昨年の取扱いの変更により、一覧図に相続人の住所も記載されている場合には、相続による不動産の名義変更の際に戸除籍謄本等の束だけでなく、相続人の住所を証する情報(住民票の写しなど)も添付する必要がなくなりました。ピョコ4.png

 

決して大きな取扱い変更ではありませんが、少しずつでも利便性の向上に繋がることは良いことと思いますので、法務省に対しては今後も制度変更を行ってもらいその利用範囲の拡大を期待したいところです。

 

 

2019/07/01  相続登記の登録免許税免税措置について

昨年度(平成30年度)の税制改正により、相続による土地所有権の移転登記の登録免許税ついて、「市街化区域外の土地で市町村の行政目的のため相続登記の促進を特に図る必要があるものとして、法務大臣が指定する土地のうち不動産の価額が10万円以下の土地に係る登録免許税の免税措置」が新たに設けられました。

 

施行後、当事務所でもこの免税措置を利用して相続による土地所有権の移転登記を申請したケースが複数件あります。

本来、土地の価額が10万円以下の場合に負担する登録免許税は数百円(本来の税率は土地価額の0.4%)ですので大変メリットのある免税措置とは言い難いのですが、価額10万円以下の土地が複数又は多数ある場合にはそれなりのメリットが実感でき依頼人にも喜ばれそうですね。

 

この免税措置は現時点では、令和3年(2021年)3月31日まで利用可能となっておりますので、亡くなったかたが該当の土地を所有されている場合にはご相談下さい。

 

 相続登記の登録免許税の免税措置について.png

 

相続登記はお早めに!

2019/06/17  住所変更登記はいつまでにするべき?

先日、こんな質問がありました。

 

「引っ越したので、不動産の住所変更(不動産登記簿に記載された所有者住所の変更)もしなければと思うのだけど、いつまでにする必要がありますか?」

 

1. 期限はあるのか?

  不動産の所有者が住民票の移動を伴うお引越しをした場合、不動産登記簿(登記事項証明書)の所有者情報の住所も直ぐに変更する必要があるのかということですが、これについては特にいつまでに登記手続き(住所変更登記申請)しなさいという期限はありません。つまり、放っておいてもそのこと事体に問題はありません。

 

2.変更手続きを迫られる時とは?

  上述のとおり「お引越し=直ぐに住所変更登記」とはなりませんが、当該不動産を譲渡(売買や贈与など)する場合や、住宅ローンの借換えに伴い新たに抵当権を設定する場合など、譲渡や担保設定する際は「所有者の住所と不動産登記簿の所有者の住所を一致」させる必要がありますので、前提として所有者の住所変更登記が必ず必要になります。

 

〜早めに手続きするのがベター〜

 私の経験では、近い将来、更にお引越しの予定があるという方以外は、お時間のあるときに早めに住所変更のお手続きをされた方がよいかと思います。近い将来お引越し予定がある方は、お引越しの度に住所変更登記を行うと費用もかさみますので、ある程度引越しが落ち着いたところで、過去の住所移転も含めまとめて手続きされた方が費用的には節約できるかと思います。

 

 なお、住所変更登記には、住所移転の経緯を証する書面(住民票や戸籍附票など)を添付する必要がありますが、さすがに何十年も前の住所移転についてはその経緯を証する書面が取得しにくい場合もありますので、その観点からも早めのお手続きがベターですね。

 

 

2019/06/03 「下線のあるものは抹消事項であることを示す」とは?

住宅ローンを完済すると、ご自宅等に設定された担保権(銀行が付ける抵当権が一般的)を抹消することが出来るようになるのですが、抹消後の不動産登記簿(正式には不動産登記事項証明書)をきちんと見たことがありますか?

 

一般の方のなかには、抵当権抹消登記手続きが完了すると登記簿から抵当権の記載があとかたもなく消えてなくなると思っている方もいるようです。しかしながら、実際には抵当権に関する事項が消える事はなく、そのあとも記載が残ります。

ではどうやって抹消された事項であることを示しているのかと言うと、抵当権設定に関する該当部分に下線を引くことで抹消された事項であることを表します。(抵当権抹消の登記申請がなされたことも別枠で追加記載されます。)

 

ということで、抵当権設定に関する項目部分に下線が引かれていれば、既に抹消済で効力がないということになります。登記簿の下段欄外に「下線のあるものは抹消事項であることを示す」と記載されているのはこの意味です。

 抹消後は、見た目からも綺麗さっぱり消してくれればと思う方もいらっしゃるようですが、過去にどういった権利(担保)が付いていたのかという情報を残すため、見た目から消すことは出来ないのです。ピョコ3.png

 

なお、住宅ローン完済した場合、ローンを組んだ金融機関から抵当権を抹消するための書類一式が交付されますので、管轄法務局へ抵当権抹消の登記申請を行います。長期間放置していると書類再発行等が必要となりますのでご注意を! 

 

 

2019/05/21 自筆証書遺言の方式が緩和されたのを知ってますか?

最近、こんな質問がありました。

「自筆証書遺言はパソコンで作成してもいいと聞いたんだけど、本当かな?」

 

遺言書にはいくつか種類がありますが、一般的に、自分で作成する 自筆証書遺言 と公証役場で作成してもらう 公正証書遺言 の二種類が主です。この二つの遺言方式のうち、自筆証書遺言についての作成要件が緩和されました。

改正前は遺言書全文について自書する必要がありましたが、今般の改正(2019年1月13日施行)により、遺言書を構成する財産目録についてはパソコンで作成してもよい事となりました。

 

なので、ご質問の回答として、

 「遺言書の全部をパソコンで作成してよい訳ではなく、財産目録のページはパソコンで作成してよいということなのでご注意ください」とお答えしました。

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財産の種類や数量が多く、これら財産を複数の相続人へ相続させるような遺言を自分で作成したい方や、特にご高齢で遺言の必要性を強く望まれる方にとっては、幾分か作成の手間が省けるようになったと言える改正です。

ただ、遺言書内容が遺言者の真実の意思であることをより証明するという観点から言えば、財産目録を含めた全文を自書するか、もしくは公正証書による遺言作成を検討されることを、私としては今後もお勧めする姿勢は従来通り変わらないと思います。